【第31回サムライズ勉強会】「逃げ恥」で考える。みくりの働き方でどれだけ老後は変わってくるのか ~人生100年時代の結婚の経済価値~

開催日:2018年1月25日(木)
講師:是枝俊悟(これえだしゅんご)氏

講演内容

『逃げるは恥だが役に立つ』(以下「逃げ恥」)は、海野なつみ氏のマンガを原作とし、2016年の10月から12月にかけて、TBS系でドラマが放送されました。主演新垣結衣、星野源で人気を博し、番組エンディングに流れた「恋ダンス」も大ヒットしました。 2017年10月に刊行された是枝俊悟氏、白川桃子氏共著の『「逃げ恥」に見る結婚の経済学』(毎日新聞出版)は、「逃げ恥」を題材として、「結婚」というものを因数分解するということをされています。一言で言えば、家庭内労働の価値を「見える化」しています。

 昭和の時代、女性にとって結婚は、「永久就職」で「食いっぱぐれがない」ものでした。バブル時代にモテたのは、3高(「高収入」「高学歴」「高身長」)の男で、女性の年齢をクリスマスケーキにたとえ、「女の年齢=クリスマスケーキ」理論などというとんでもない揶揄があったものです。つまり、25日を過ぎると、クリスマスケーキは定価割れしたり、売れ残るということです。いやはや。
男性にとっても、「結婚してこそ一人前」という社会的承認があり、大黒柱としての義務はあるものの、母に変わる妻を召し抱え、不自由のない生活が保障されました。 しかし、いま、「結婚したら食いっぱぐれがない」を信じている女性はいませんし、男性は「コスパ」を気にしています。独身でも別にいいんじゃないの、と互いに思っています。 また、めでたく「食いっぱぐれのない結婚」を手に入れたバブル世代、その周辺世代が、どんどん熟年離婚しています。

人生の豊かさは、お金だけで判断できるものではありませんが、今後の人生が、もしかしたら100歳まで続くかもしれないと思ったら、どういう生き方をすれば、どのくらい老後が変わってくるのか、将来のシミュレーションをしてみると面白いのではないかと思って企画しました。

前半は、是枝さんに、ご著書について語って頂き、後半は、本著5章「ワンオペシナリオ」「みくり正社員シナリオ」「Wキャリアシナリオ」に、プロの独身を貫く「シングルシナリオ」と、離婚を選択する「セパレートシナリオ」をプラスして考えてみたいと思います。もちろん、人生は、お金だけで片付けられるものではありませんので、それぞれのシーンでの男の言い分、女の言い分を是枝さん、岩城、そしてご参加の皆様と議論できればと思っています。

是枝氏からの一言

男性にとって、妻が専業主婦になるのか、働く場合にどのような働き方になるのかは、家計を大きく左右します。女性が働きづづけられるのかは育児との両立という「女性の問題」にされがちですが、実際には妻にどれだけ育児の負担がかかるかは夫の育児へのかかわり方次第です。男性が育児に関わることで妻が働き続けられる確率を高めることは、非常に効率のよい「投資」ではないかと思っています。
人生100年時代と言われる中、女性から見て、わずか60歳か65歳で収入が途絶える夫の給料や、夫の死後はなお乏しくなる年金に頼る生き方に希望が見出しにくくなっています。子どもを自分の手で育てることは楽しいことではありますが、仕事を投げ打つことの「機会費用」は想像以上に大きなものになります。
これからの時代、どのような働き方・暮らし方をすればどのような老後が待っているのか、一緒に考えてみませんか。

講師ご紹介

是枝俊悟(これえだしゅんご)氏

1985年生まれ。2008年早稲田大学政治経済学部卒業、同年民間シンクタンクに入社。
税・社会保障制度の改正による経済や家計への影響などの調査・分析を行う。著書に『大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術』(花輪陽子共著)、『徹底シミュレーション あなたの家計はこう変わる!』などがある。

詳細

日時

2018年1月25日(木)19:00~20:45(開場18:30)

会場

〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3‐21
ちよだプラットフォームスクウェア地下1階001ミーティングルーム 
※電光掲示板の会議室予約の表示は、「オフィスベネフィット」になっています。

定員

30人(先着順です)

会費

セミナー: 2000円
懇親会: 実費3000~4000円(希望者のみ)
※懇親会は、21時~ 大手町の経団連ビル地下「稲田屋大手町店」で行います。

申し込み

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