2023年9月1(金）開催【第66回 FIWAサムライズ勉強会】今、何をすべきか〜短時間労働者の社会保険適用拡大に関する方法について〜

開催日：令和5年9月1日（金） 19時～20時45分（開場18:30 / zoom入室18:45 ）
登壇者：慶應義塾大学商学部教授　権丈善一（けんじょうよしかず）氏　

1 今、何をすべきか〜短時間労働者の社会保険適用拡大に関する方法について〜
- 1.1 内容
2 登壇者のご紹介
- 2.1 権丈善一（けんじょうよしかず）氏
3 セミナー概要
4 その他
5 申込み

今、何をすべきか〜短時間労働者の社会保険適用拡大に関する方法について〜

内容

『もっと気になる社会保障: 歴史を踏まえ未来を創る政策論』権丈善一著・権丈英子著（勁草書房）は、政治経済学の視点から年金や医療、労働市場政策など社会保障をめぐる政策について論じられてきた「ちょっと気になる」シリーズの総集編的な位置付けとされます。多岐にわたる課題について論じられており、なかなか重厚な内容です。
　実は、わたくし、年初に、本著14章「再分配政策の政治経済学という考え方」について、権丈先生の講義を受ける機会を得て、あれこれが結びつき、めちゃくちゃ面白く、ストンと理解できたという幸運を得ました。残念ながら時間の関係で、出席者の多くが「もっと聞きたい！」という思いの中で終了となりましたが、俄かに結成された「権丈ファンクラブ」にお招きするというモチベーションを得ることとなりました。ならば、せっかくの機会ですので、より多くの方々にもぜひともご参加いただきたいという思いで本勉強会を企画いたしました。

　社会保障審議会年金部会やこども未来戦略会議も進行中の中、どんなテーマでお話ししていただこうか悩みましたが、やはり、壁など存在しないけれど言われ続けている、いわゆる「年収に壁」という問題について考えたいと思いました。
適用拡大は進んでいますが、年金制度の中には、事業主にとって、厚生年金が適用されない非正規やあえて適用されないように就労調整をしたい第3号被保険者を優先的に雇いたくなるインセンティブが組み込まれています。政府は、一定の収入を超えると増える社会保険料を補填するため雇用保険料を財源に1人最大50万円の企業向け助成金を新設するとしています。これは、公平であるべき社会保険制度にとって適切なことなのでしょうか。今、本当になすべき改革とは何か、みなさんと共に考えていきたいと思います。

パート労働者への厚生年金適用拡大のための改革案「厚生年金ハーフ」について
ドイツ・フランス・イギリスなど海外の制度基準について
女性が積極的に働くために第3号被保険者制度はどうあるべきか
本当になすべき改革とはなにか

などについてお話しを伺います。
セミナーでは、テキストとして、『もっと気になる社会保障: 歴史を踏まえ未来を創る政策論』権丈善一著・権丈英子著（勁草書房）を使用します。
各自ご用意ください。ご一読の上、ご参加いただけるとより理解が深まると思います。

どなたでもご参加していただけます。たくさんのご参加をお待ちしています。

登壇者のご紹介

権丈善一（けんじょうよしかず）氏

慶應義塾大学商学部教授　博士（商学）
1962年福岡県生まれ　1985年慶應義塾大学商学部卒業，1990年同大学院商学研究科博士課程修了．嘉悦女子短期大学専任講師，慶應義塾大学商学部助手，同助教授を経て，2002年より現職．この間，1996年～1998年ケンブリッジ大学経済学部訪問研究員，2005年ケンブリッジ大学ダウニグカレッジ訪問研究員．公務では，社会保障審議会，社会保障国民会議，社会保障制度改革国民会議，社会保障制度改革推進会議，全世代型社会保障構築会議の委員や社会保障の教育推進に関する検討会の座長など．主要業績に，『ちょっと気になる政策思想──社会保障と関わる経済学の系譜　第2版』（2021年），『ちょっと気になる医療と介護　増補版』（2018年），『ちょっと気になる社会保障　V3』（2020年）（以上，勁草書房）などがある